生まれながらの障害など20歳前からの障害でも障害年金が出る場合あり

年金は20歳になったら加入することになっています。日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、国民年金の被保険者になります。強制加入です。高校卒業から働いている人など20歳になる前から厚生年金に入っている人や、すでに結婚していて厚生年金や共済年金に加入している人に扶養されている人(第3号被保険者)以外は、20歳になったら、住んでいる市区町村で国民年金第1号の加入手続きをすることが必要になります。

 

20歳前障害による障害基礎年金

国民年金第1号被保険者は毎月、保険料を納めることが必要になります。学生納付特例制度や納付猶予制度、免除制度などありますので、保険料を納めることが難しい時は、滞納しないで、手続きをする必要があります。

 

さて、20歳前から傷病があって障害をお持ちの人は、どうなるのでしょうか。生まれながらの傷病なら20歳前に初診日があります。

19歳11ヶ月の時に初診日がある場合も、「20歳前障害」といわれる障害年金(障害基礎年金)の請求をします。

 

障害基礎年金の受給要件は、1,国民年金に加入している間に初診日があること、2,一定の障害の状態にあること、3,保険料納付要件を満たす必要があります。

 

国民年金に加入している間に初診日があること、ですが、初診日が20歳前や60歳以上65歳未満で年金に加入していない期間でも、日本国内に住んでいる間に初診日があるときも含むことになっています。

 

ただし、いわゆる「20歳前障害」の場合、その障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないうちに受給できるわけですから、所得制限ががあります。

20歳前障害の障害基礎年金の支給停止について

平成28年4月1日現在の金額になりますが、本人の所得限度額は以下のとおりです。全額支給停止、2分の1停止の2段階制になっています。

 

1人世帯(扶養親族なし)の場合、所得額が4,621,000円を超える場合には、全額支給停止となります。所得額が3,604,000円を超える場合に年金額の2分の1が支給停止となります。

2人世帯の場合、5,001,000円を超える場合には全額支給停止となります。所得額が3,984,000円を超える場合には年金額の2分の1が支給停止になります。

 

世帯人数が増加した場合、扶養親族が1人増えるごとに所得制限額が38万円加算されます(これは、扶養親族が老人控除対象配偶者・老人扶養親族であるときは、1人につき48万円、特定扶養親族であるときは1人につき63万円の加算)。

 

これらは、所得額であって、いわゆる年収ではありません。

 

所得の届け出は毎年7月31日までに行います。全額支給停止または半額支給停止の期間は、その年の8月から翌年の7月までとなります。毎年見直ししますし、税制改正によって金額が変わる場合もあります。

 

このほか、日本国内に住所がないとき、監獄・労役場・少年院に拘禁、収容されている時などにも支給停止あります。

 

なお、20歳前障害による障害認定日請求の場合、本来なら障害認定日以後3ヶ月以内の診断書が必要ですが、20歳前障害による障害認定日請求では障害を認定する日前後3ヶ月以内の診断書でもいいことになっています。たとえば、20歳が障害認定日でしたら、その前3ヶ月、その後3ヶ月の日付の診断書でもいいということです。

谷間の障害年金とは

これに関連して、「谷間の障害年金」のことにもふれておきたいと思います。

 

旧法の厚生年金保険法において、障害年金の支給要件として初診日の前月までに他の公的年金制度を含め6ヶ月以上の被保険者期間が必要とされていました。そのため、たとえば、大学を卒業して、会社に入社した直後の傷病で障害を負った場合、障害年金が支給されない場合がありました。旧法の時代は20歳すぎても学生時代に制度未加入の人がけっこういたのですが、就職して厚生年金に加入したものの就職後4ヶ月目に初診日があった人が障害年金不支給となっていたことがありました。

 

このように、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの公的年金制度加入中に初診日があって旧法での支給要件に該当しないために、障害年金を受給できなかった人は、以下のいずれの場合にも要件を満たしている場合は、障害基礎年金が支給されるようになりました。

 

1,昭和61年4月1日以降の新法だったら、保険料納付要件が満たしてあること(初診日において、公的年金制度の被保険者であること、公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること)ただし、現在の特例、65歳までの初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことのいわゆる「直近1年要件」や、「基準月」(初診日が平成3年5月1日前にある場合の保険料納付要件)の考えは適用されず、原則の考え方です。

2,平成6年11月9日以降、かつ、65歳到達日の前日(誕生日の前々日)までに障害等級2級以上に該当し、かつ、請求すること

 

これらが満たしていれば、20歳前障害と同じ障害基礎年金が支給されることになりました。旧法当時、加入していた制度が厚生年金などの被用者年金制度であっても、支給される年金は、障害基礎年金です。さらに20歳前障害と同様の所得制限、国内居住制限などがあります。