障害基礎年金の年金請求書にも書いてある児童扶養手当とは

配偶者が市役所、区役所または、町村役場から児童扶養手当を受けてる人に対し、年金請求書に書いてあることがあります。障害年金の「子の加算」と児童扶養手当の両方を受けることができない、との注意書きです。障害基礎年金には、「子の加算」が付きますが、配偶者へ支払われている児童扶養手当は、どちらか一方のみ受給が可能となっています。ただし、これには注意することがあります。

たとえば、妻が重度の障害になっていて、その夫婦に10歳の子どもがいたとします。妻が重度の障害なので、夫に児童扶養手当が支給されていることがあります。それは夫に対して児童扶養手当が支払われているのです。今回、妻が重度の障害なので、障害年金を請求し、障害基礎年金1級になったとします。障害基礎年金には、子の加算がつきますから、10歳の子どもがいるので、障害基礎年金に子の加算がつくことになりますが、妻に「子の加算」がつき、夫に「児童扶養手当」がつく、ということにはならないのです。ダブルでもらえることにはならないのです。

これが平成26年12月以降と、平成26年11月以前では扱いが違うので説明します。

児童扶養手当とは

その前に、児童扶養手当とは、どういうものなのでしょう。父母の離婚などによって、父又は母と生計を同じくしていない児童を養育している家庭の生活の安定などのために支給されるものです。簡単に言えば、父母もしくは、父か母がいない児童を養育している母、父、もしくは養育者に対して支払われている手当です。父母がいても、重度の障害がある父または母の場合も支給対象に該当します。

 

もう少し詳しく書きますと、以下のいずれかに該当する18歳に達した日の最初の3月31日(簡単に言えば、高校卒業まで)までの児童、もしくは、20歳未満の一定以上の障害がある児童を養育している母又は父もしくは養育者に対して支払われています。

 

1,父母が離婚した後に、父または母と生計を同じくしていない児童
2,父又は母が死亡した児童
3,父又は母が一定以上の障害の状態にある児童(父が障害の場合、母又は養育者が受給、母が障害の場合、父又は養育者が受給)
4,父又は母が1年以上遺棄している児童
5,父又は母が裁判所からの保護命令を受けた児童
6,父又は母が1年以上拘禁されている児童
7,母が未婚で懐胎した児童(婚姻によらないで生まれた場合のこと)
8,父又は母の生死が不明である児童
9,父母が不明な児童
10,その他の理由により父又は母がいない児童

手当の金額は、所得額や児童数により異なります。

 

児童扶養手当と公的年金等との併給調整

児童扶養手当と公的年金等との併給調整としては、平成23年4月1日改正と平成26年12月1日改正があります。公的年金等とは、遺族年金、障害年金、老齢年金、労災年金、遺族補償などです。

平成23年4月1日改正と平成26年12月1日改正があるので、障害基礎年金の遡及しての認定日請求の場合などに注意が必要です。

障害基礎年金の子の加算がある場合、児童扶養手当の受給ができるかどうか、その額について確認します。

 

平成23年4月1日改正について

児童扶養手当と障害年金の「子の加算」は、金額が高い方を選択できるようになりました。
※母子家庭、父子家庭では「配偶者」がいないので選択とはなりません

 
父が重度障害だという場合で考えます。
子の加算より児童扶養手当が多い場合(児童扶養手当>子の加算)、たとえば、父が障害基礎年金を受給していたのなら、本来なら子の加算が付きますが、子の加算より児童扶養手当が多いので、父の障害基礎年金には子の加算が付きません。かわりに、母に児童扶養手当が支給されます(年金請求書にも、「配偶者」と書かれています)。

反対に、児童扶養手当より子の加算額が多い場合(児童扶養手当<子の加算)、たとえば、父が障害基礎年金を受給していたのなら、父に対して障害基礎年金と子の加算が支給されます。母に対しては、児童扶養手当は支給されません。

 

平成26年12月1日改正について

平成26年12月分より児童扶養手当は選択制ではなく、障害年金の子の加算を優先支給となりました。その額が児童扶養手当より低い場合に、差額分の手当が受給できるようになりました。

父が重度障害という場合で考えます。子の加算より児童扶養手当が多い場合(児童扶養手当>子の加算)、父が障害基礎年金を受給していたのなら、子の加算が優先支給されます。子の加算より児童扶養手当が多いので、その差額分が母に支給されます。

反対に、児童扶養手当より子の加算が多い場合(児童扶養手当<子の加算)、父が障害基礎年金を受給していたのなら、父の障害基礎年金に子の加算がついて支給されます。母に対しては、児童扶養手当は支給されません。

 

遡及して障害年金を請求する場合、改正で注意すること

平成26年11月以前に遡及して子の加算がついている障害年金を請求する場合、平成26年12月改正前の規定が適用されるので、年金請求書に、「障害基礎年金の子の加算請求に係る確認書」という用紙も添付する必要があります。

用紙には、「平成26年11月以前分にさかのぼって障害基礎年金の子の加算金を請求する場合で、さかのぼった期間について配偶者が児童扶養手当をうけていた方はご記入ください」と書かれています。

 

その他、児童扶養手当のことについて

児童扶養手当を受けるには、認定請求の手続きが必要となっています。手当自体は申請した翌月分より対象となりますが、認定請求の審査には2,3ヶ月かかります。

平成28年8月1日現在の金額

平成28年8月分から、児童が2人以上いる場合の加算額が変わります。
新しい額での支給は平成28年12月支給分からとなります。

児童扶養手当額(平成28年8月分から)物価によって金額は変わるので、最新のものを確認してください。

児童1人のとき→全額支給の場合、月額42,330円☆一部支給の場合(所得によって決定)、月額42,320円から9,990円
児童2人目の加算額→全額支給の場合、月額10,000円☆一部支給の場合(所得によって決定)月額9,990円から5,000円
児童3人目以降の加算額→全額支給の場合、月額6,000円☆一部支給の場合(所得によって決定)月額5,990円から3,000円

 

児童扶養手当は、それまでの4か月分を年3回支給します(12月、1月、2月、3月分を4月に、以下4ヶ月分を8月、12月に支給)。年金と同じく後払いということです。

 

支給の制限としては、申請者又は申請者と同居の父母、祖父母、兄弟姉妹、子、孫の方の前年の所得(養育費を含む)が所得制限限度額を超えると支給停止になることがあります(毎年8月に現況届によって見直しあり)。受給資格者又は児童が公的年金給付や遺族補償等を受けることができる時や、児童が、父又は母に支給される公的年金給付の額の加算の対象となっているときは支給停止になる場合もあります。

 

そのほか、以下に該当する場合は手当を受けることができません。
・児童又は請求者が日本国内に住所を有しないとき
・児童が児童福祉施設等に入所している、里親に委託されているとき
・児童が父及び母と生計を同じくしているとき(父又は母が障害による受給を除く)
・児童が父又は母の配偶者(事実上の配偶者を含む)に養育されているとき

手続きはお住いの市区町村で行いますので、必要な書類など詳しくは、お住いの市区町村の担当課に聞いてみてください。