事後重症請求から認定日請求に変えられるかどうかについて

年金事務所によっても違いがありますが、障害年金の手続きをして、最終的に書類を受理する時に、確認の意味で年金請求書の事後重症請求のところに確認印を押印してほしいと言われることもあります。

それほど、最初は事後重症請求でいいと手続きをしていたのに、結果が出てから、やはり認定日請求にしたほうがよかったのかも、と思う人もいるのでしょう。

再度、事後重症請求とは何か

本来は、障害認定日(診断書は障害認定日以降3ヶ月以内の診断書)において、障害が軽かった、認定基準における障害状態に該当していなかった人が、その後、病状が悪化するなどした場合に、それ以降に障害年金を請求できるのが、事後重症請求です。

 

しかしながら、障害認定日には障害状態に該当していたが、かなり以前の日にちだったので、その当時の状態を証明できなかったということもあります。カルテの保存期間は、5年と理解されていますから、それを目処にしている医療機関が多いでしょう。中には、廃院になったということもあります。通院し続けているならともかく、10年以上受診していないとなると、カルテの廃棄もありえます。

 

仮に、カルテがあったとしても当時の医師がいないなどの理由で、詳しい事情、病状が書けない場合もあるでしょう。

 

そのような場合、やむを得ず事後重症請求となってしまう人もいるわけです。事後重症請求なら、障害認定日の診断書は不要ですから、障害認定日の頃のカルテの有無を心配することなく、直近の診断書1枚でいいのです。

 

ただし、事後重症請求となりますと、障害状態が該当して「支給」と決まっても、年金事務所で受け付けてもらった日(請求した日)の翌月分から年金が支給となります。手続きをして受け付けした日(請求した日)より前に、障害状態に該当していた、と思っても遡ってくれるわけではありません。

 

また、原則65歳までに請求しないと事後重症請求はできません。内部疾患や難病などは初診日から長い年月をかけて悪化することが多いのですが、65歳までに請求しないとできないのが事後重症請求です。

 

中には、思い込みで、障害認定日の頃は障害状態が悪くなかったという人もいるでしょう。後になって、障害認定日請求なら遡及して認定してもらえるという話を聞いた、ということもあるでしょう(遡及しても年金には時効があるので、最大5年分までしか遡って支給されない)。本来なら、事後重症請求で行っているので、障害認定日には障害状態が障害等級に該当していなかったということで手続きをしているとみなされています。

 

実務上では可能だが、用意しなければならない書類あり

このように、事後重症請求で裁定請求書を出しているのですから、本来は、障害認定日請求には変えられないのですが、実務上では後から、事後重症請求で請求した障害年金を障害認定日請求として提出することに変えることもできるようになっています。

 

そのような場合、現在の事後重症請求で受給している受給権を取り下げて、障害認定日による請求に変えることになりますが、いくつか提出しなければならない書類などがあります。

 

それと障害認定日請求に変えたからと言って、必ず、障害認定日に障害等級に該当したと認定になるとも限らないことにも注意が必要です。もし、障害認定日には障害等級に該当しないとなってしまった場合、審査請求を考えるということもあるでしょう。

 

用意すべき書類について

  1. 裁定請求書(障害認定日請求として出します)
  2. 障害認定日の診断書(すでに、事後重症請求で受給しているので、直近の診断書は不要)
    なお、受診状況等証明書は、前回、事後重症請求した時のコピーでよい
  3. 障害認定日当時に加給年金対象者がいる場合、生計維持証明する書類
  4. 事後重症請求した時の現在持っている年金証書
  5. 取り下げ書(障害年金の取り下げについてというタイトルの用紙)
  6. 前回請求時から今回請求時までの病歴・就労状況等申立書
  7. 理由書(任意様式)

 

理由書については、任意の様式なので、「障害認定日には障害等級には該当しないと思い込んでしまいましたが今回、障害認定日には障害等級に該当する可能性があることがわかったので、今回、障害認定日での請求をすることにいたりました」のような理由を書いて理由書にします(なお、文章は見本ではないので、それぞれ考えて自分の事情にあったものにしてください)。

注意点は時効の起算点が変わること

上記にもありますように、年金は5年で時効を迎えます。何年も前に遡って認定されたと、喜んでみたら、年金額の振り込みは5年分のみ、ということになってしまうのです。

 

そのことは、すでに事後重症請求で年金をもらっていて、今回、認定日請求に変えようとしている人も同じです。時効の起算点は、新たにやった障害認定日請求の日になってしまうのです。事後重症請求を行った日に、事後重症請求ではなく認定日請求をしていたら、もう少し、時効となった期間は少なかったかもしれません。

 

障害認定日で、等級に該当していたと認定されたとしても、障害認定日による請求日時点において、障害認定日の属する月の翌月から事後重症請求請求月までの期間のうち、すでに時効が成立している期間は、支給されないことに注意です。

 

要は、認定日請求で再度出した日(再請求日)から起算して5年までは遡って年金は払うことになるということで、前回出した事後重症請求の日以降はすでに受給しているわけですから、そこから時効消滅した日以降の分が遡及でもらえることになる、ということです。