初診日の証明ができない場合にどうするか

本来、初診日を証明するには受診状況等証明書に医療機関から印をいただいて、証明することになっています。医療機関から取得した書類の添付が必要となっていますから、初診日がかなり以前の場合、医療機関で取得する証明に苦労することも多かったのです。事実、初診日が不明、として障害年金が却下とされたケースもありました。

それが省令が改正され、平成27年10月1日から初診日の認定に関する新しい基準が始まりました。初診日を証明する書類が添付できなくても、初診日を合理的に推定することができるような一定の書類を添付することで初診日と認めるようになったのです。

詳しくは以下の日本年金機構のリーフレットを見るとわかりやすいです。
初診日を確認する方法が広がります(PDF)

http://www.nenkin.go.jp/pamphlet/kyufu.files/13.pdf

 

改正後は初診日を証明するのに参考となる証明書類や資料などを添付することで初診日と認められる可能性が出てきたのです。

 

初診日と認められる新たな取り扱いの例

新たな取り扱いでは医療機関での証明が取れない場合、初診日を証明するのに参考となる書類を提出することになります。ただし、「審査の上」となっていますので、簡単に認められるというものでもありません。できるだけ客観的な資料を多く添付する必要があります。

 

1,第三者証明プラス他の資料(客観的なもの)が提出された時
2,初診日が一定の期間内にあることを示す書類が提出され、保険料納付要件などが満たされていること

このような例が認められる可能性があるものとして挙げられています。

 

1,第三者証明プラス他の資料(客観的なもの)が提出された時

1の第三者証明と他の客観的な資料を提出すること、については、これは今まで20歳前障害に限って認められていた第三者証明を、20歳以降の場合でも認められるようにしたものです。第三者証明は、原則、複数名の証明が必要となります。当時を知る医療従事者(当時の主治医や看護師など)であれば、単独の証明でも可能になっています。ただし、医療従事者であっても、初診日の頃の受診状況を把握できないような場合はこの単独での証明とはできない扱いです。

 

また、3親等内親族による第三者証明は認められません。本人に近い立場だからでしょう。初診日の当時のことを知る「第三者」が当時の知っていたことに基づいて書くものです。第三者であっても、最近、本人からこう聞いたということではいけないのです。第三者が当時、見ていた、聞いていたことを書くことになります。第三者としては、友人、知人、隣人、民生委員や当時の会社の同僚、上司などとなります。病気のことに関しては、健康診断やら有給休暇のことなどもありますから、会社の同僚、上司に言っていることがありがちなので、聞いてみる価値があると思われます。

 

「初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明)」の書類には、「直接見て知りました」、「請求者(今回障害年金の手続きをして障害年金を請求する人のこと)や請求者の家族などから聞いて知りました」の別があります。「請求者や請求者の家族などから聞いて知りました」に関しては、聞いた時期、年月日頃を記入します。

 

この第三者証明だけでなく、参考となる他の資料もつけます。診察券や入院記録など客観性があるものとなっています。そのため、医療機関が作成した書類であっても、請求者本人の申立による初診日の記載では不適当であるとのことです。本人が言ったから、書いたというのでは認められない可能性が高いです。

 

「初診日に関する第三者からの申立書」には出来る限り中身を思い出して書いてもらうようになります。

当時の状況を書いて証明する欄(申立者が知っている当時の状況等)には、なるべく具体的に、書ける範囲で書くようになります。

 

  • 請求者の初診日頃の受診状況をどのようにして知ったのか
  • 発病から初診日までの症状の経緯(病気やケガで初めて医療機関を受診するまでの間の具体的な症状)
  • 医療機関を受診したきっかけ(初めて医療機関を受診した理由や原因について、当時見たり聞いたりして知った内容)
  • 初診日頃の請求者の日常生活を送るうえでの支障があった具体的な状況、支障の程度
  • 医師から請求者に対する療養の指示など受診時の状況(日常生活、学生生活、勤務における指示や注意について当時見たり聞いたりした内容)

当然ながら、知らないことは書けないので書ける範囲で、ということです。

2,初診日が一定の期間内にあることを示す書類が提出され、保険料納付要件などが満たされていること

初診日が一定の期間にあることまではわかっているが、正確に何月何日まで特定できない場合の初診日認定を可能にする取り扱いです。
初診日がある一定期間、はじまり(始期)と終わり(終期)を立証してその間、どこをとっても、保険料納付要件が満たされていれば、本人の申立を初診日として認定するということです。

 

人によって厚生年金保険だったり、国民年金だったりしますから、その一定の期間内の加入していた年金制度が同一制度か、異なる制度にまたがっているかによって取り扱いが異なります。

 

その1
初診日があるだろうと思われる一定の期間が、厚生年金保険なら厚生年金保険、国民年金なら国民年金だけとして単一の場合は、一定の期間の始期と終期を示す参考資料を提出

 

その2
初診日があるだろうと思われる一定の期間が、国民年金の時もあれば、厚生年金保険の時もあるいうように、複数の制度にまたがる場合、一定の期間の始期と終期を示す資料にプラスして本人申し立ての初診日についての参考資料

 

始期を示す資料の例
一定期間の始期となる例は、就職時に提出した診断書、人間ドックの結果(発病していないことが確認できるものとして)職場の人間関係が起因となった精神疾患についてはそれを明らかにする医学的資料と就職の時期を証明するもの、当時の状況をよくする職場の上司や産業医が発病していないことを証明した書類などです。

 

終期を示す資料の例
一定期間の終期となる例は、2番目以降に受診した医療機関による証明や、障害者手帳の交付時期に関する資料、調剤薬局の領収証などでその傷病で受診したことが確認できる資料などです。

 

例えば、本人は4月25日が初診日ではないかと思っているが、おそらく3月21日から9月30日の間であることはわかっているという場合、3月21日が始期で、9月30日が終期です。

3月21日の健康診断では発病していなかったことがはっきりしているが、9月30日には2番目の病院を受診していることがわかっている、というようなことでしたら、3月21日から9月30日までの間に初診日があるだろうとわかることになるかと思います。

中には、2番目の病院のカルテに、平成5年の春ごろに近医を受診したが、のような記載があるような場合も、初診日の可能性がある期間がかなり絞れると思います。

 

いずれにしまして、できるだけ多くの資料、それも客観的な資料が多ければ多いほど、証明を補強できると思いますので、年金事務所でよく相談しながら、可能性を探る努力が必要となります。特に、障害の程度が重い人ほど、ぜひ、諦めずに探してもらいたいものです。