再生不良性貧血、白血病、悪性リンパ腫、血小板減少性紫斑病などの障害

以前にも書きましたが、平成29年度現在、血液、造血器疾患による障害での障害年金の認定基準の見直しがなされています。

 

その3回目の専門家会合がありました。傍聴に行ってきました。

診断書

資料については、こちらでダウンロードできます。

障害年金の認定(血液・造血器疾患による障害)に関する専門家会合審議会資料 |厚生労働省

 

前回が3月でしたから、かなり間があいてしまっていました。

 

前回は患者団体からのヒアリングもありました。今回の3回目でほぼ認定基準の変更内容は決まりになったようです。疾患によっては4回開催することもありますが、血液・造血器疾患に関しては専門家会合は3回の開催でした。本当に、これは疾患によっても異なりまして、4回開いても意見がまだ出尽くしていなくて、将来への課題ということになってしまっている場合もありました。

 

障害年金の認定基準は医学の進歩が早いのでそれに追いついていない部分がかなりあると思っています。それでも長い間、障害年金の認定基準は改正もされなかったわけですから、最近、ここ10年ほどは疾患ごとに少しずつ改正されていること自体、評価できることと思っています。個別の疾患ごとの改正のための検討を行う専門家会合が開かれるようになったのは、平成23年からだったと私は記憶しています。

 

平成14年3月15日に「国民年金・厚生年金保険障害年金認定基準の改正について」という通知が出て、平成14年4月に改正がなされたのですが、この時は「障害認定基準の見直しに係る専門家会合」を開催したことだけは通知に書かれていたのでわかりますが(おそらく全体的に見直しがなされたものと想像します)、私自身はその頃社労士でなかったので、まったく知りませんでした。ですからその間の間、すなわち平成14年から平成23年までは認定基準の見直しがなされていなかったと個人的には考えています(小さな取扱変更くらいはあったのかもしれませんが)。

 

しかし、まだ全部の疾患を見直ししたということではないので、医学研究の進歩によって治療法も変わってきていることは患者さん側も認識していることですが、障害年金の認定基準は古いまま、という部分が疾患によってあるのです(今回は血液・造血器疾患の見直しだったということになります)。それは基準の数値的なこともありますが、用語についても言えます。例えば、今回の見直しで言えば、易感染症という言葉を易感染性にしたり、難治性貧血群という言葉に変えて、赤血球系・造血不全疾患になるなどです。

 

検査項目も現在は使わていないものもあるでしょう。易感染性の程度の把握として顆粒球は好中球に変更するなどもあります。

 

今回はまず、現在の認定基準の冒頭のところに書いてあった「血液・造血器疾患の分類は研究者の見解によって異なる分類法がなされている」という文言も削除される予定などもあり、現在の医学からみた分類で分けられて、すっきりした感じがします。

大別して3つ血液・造血器疾患の分類に

大きくわけて3つになる予定です。

  • 赤血球系・造血不全疾患、これは主に再生不良性貧血、溶血性貧血などです。
  • 血栓・止血疾患、これは主に血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症などです。
  • 白血球系・造血器腫瘍疾患、これは白血球、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などです。

このように分けられるようになります。これらについて、どれにも当てはまる全般的な基準(例えば、一般状態区分など)が書かれ、その後に大別した分類によって基準が定められるようになっています。

 

それと、今回の基準には、造血幹細胞移植についても取扱が明記される予定になっています。造血幹細胞移植後の話になります。移植したら元の元気な状態になるとは限りませんから(これは腎臓移植など他の移植も同じですが)、ある程度の期間、様子見が必要です。

すでに障害年金を支給されている人の場合でも、移植片が生着して安定的に機能するかどうかを見なければなりませんから、術後1年間は従来の等級とする、と書かれていました。

 

また造血幹細胞移植を受けた人の障害認定では術後の症状、移植片対宿主病の有無なども考慮して総合的に認定することになる予定です。

 

これら認定基準については詳しくは上記の厚生労働省のサイトから資料をダウンロードするとわかります(変更するところは赤字でわかりやすくなっています)

 

しかし注意すべき点は、第3回の会合でも検討事項が残っていて話し合いがなされたので、このページに載っているのが最終ではありません。

それでもダウンロードして読めば、大まかなところはつかめると思います。大筋の把握にはなることでしょう。

血液・造血器、その他の障害用診断書(様式第120号の7)も変わります

また認定基準もそうですが、診断書についても変更がなされます。

以前の診断書には言葉がなかった、インヒビターについても有無を書く欄があります。このようなことは患者さんたちならよく知っていることでしょう。私も自分が難病ということがわかってから、知る言葉も多かったです。

 

その一方で現行の診断書には書く項目があるが改正後は削除されるものもあります。これらも現在の医学にあったものということができるでしょう。

 

自覚症状についても、今までなかった月経過多や紫斑について書く欄が出来ていました。

ざっと書いてみましたがが、第3回はほぼ新しい認定基準に近いかたちのもので検討事項にそって検討されていました。

パブコメを経てから改正に

再度書きますが、あくまでも上記の厚生労働省のページに載っている資料は最終の形ではありません。最終的なものは、パブリックコメントに出されます。パブコメを経てから、診断書の変更もあるので、充分な周知期間を取ってから新しい認定基準になるので、まだまだ先のことになります。

 

いずれそのうちにパブリックコメントが出ると思いますので、その時にパブコメに出された認定基準と診断書が、ほぼ改正となるものになります。関心のある方は、それを確認のうえ、パブリックコメントの時に意見を提出するといいかと思います。